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麻薬王が持ち込んだカバが野生で大繁殖して問題に in コロンビア

最も悪名高い麻薬王とも言われるパブロ・エスコバル。1970~1990年代にかけてコロンビアの麻薬組織メデジン・カルテルを築き上げ、莫大な富を得た人物です。その彼がペットとしてコロンビアに持ち込んだカバが、ここ数十年の間に驚異的なペースで繁殖し、コロンビアの自然界に深刻な脅威を与えるまでになっているそうです。

1980年代、パブロ・エスコバルはエキゾチックなペットとして、アメリカの動物園から4頭のカバをコロンビアに密輸しました。カバたちはアンティオキア州にあるパブロの豪華な邸宅アシエンダ・ナポレスで飼育されました。この邸宅には私設空港や闘牛場などがありました。私設動物園も作られ、カバの他、象やキリン、ダチョウなども飼育されていました。しかし、1993年、様々な容疑のために市中に潜伏していたエスコバルは、警官隊と銃撃の末に射殺されます。飼育されていたカバはジャングルに放たれたそうです。コロンビアにはカバの天敵となる生物は存在せず、水源が多く、気候も適していたため、繁殖・増殖していたたのです。当初は4頭だったカバは、現在では100頭以上に増え、2039年には1400頭以上になると言われています。

コロンビアで増えた野生のカバは、エスコバルとの関連から「コカインの巨人」とも呼ばれています。

しかし、彼らは増殖はコロンビア在来の植物や野生動物に脅威を与えています。地元の生物の住処やエサを奪うだけでなく、フンで河川を汚染し、藻の発生を助長し、魚の生息を妨げるなど大きな影響が出ています。

科学者たちが、カバはコロンビアの動植物にとって脅威であると繰り返し警告していますが、このエキゾチックな動物は地元の人々の人気を集めています。カバをテーマにしたツアーやサファリもあり、テーマパークの建設も計画されています。そのため、当局はカバへの対応に頭を悩ませることになりっているのです。

専門家の中には、カバの数をコントロールする方法として去勢を提案する人もいますが、カバの去勢手術は難しい為、年に1頭程度しか去勢できず、うまくいっているとは言えません。

コロンビアの生物学者であるナタリー・カステルブロンコ(Nataly Castelblanco)氏は、BBCに次のように述べています。「この動物をかわいそうに思うのは当然ですが、科学者としては正直にならなければなりません。カバはコロンビアの外来種であり、今すぐ個体数の一部を殺さなければ、わずか10年後、20年後には手に負えない状況になっているかもしれません」。

コロンビアの生態学者たちは、カバの数が増えすぎてコントロールできなくなる前に、淘汰することが必要だと提案しており、毎年30頭程度を殺処分すれば、在来の野生動物を救うことができる可能性が言われていますが、カバに対する人々の関心が非常に高く、殺処分のような措置がすぐに採用されることはないでしょう。

一方で、カバたちは繁殖を続けており、生息域を拡大しています。ハシエンダ・ナポレスから370キロ離れた場所でもカバが目撃されていることから、コロンビア最大の河川であるマグダレナ川流域にまでその生息域は広がっていると考えられています。