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3Dプリンタで造られた家にアメリカで最初に住んだホームレス男性

アメリカのテキサス州に住む70歳になるティム・シェア(Tim Shea)さんは、長年ヘロイン中毒を患いホームレス生活を送ってきました。しかし、2020年9月オースティンの郊外に引っ越し、人生が変わりました。現在は、Icon社の3Dプリンターで建設された38平方メートルの家に住んでいます。

「このような美しい場所に住めるようになるとは想像もできませんでした 。」とティムさんは報道陣に語り、新居を「奇跡」と呼びました。この「コミュニティ・ファースト!ビレッジ」は60000坪以上の敷地に500戸を建てホームレスを収容しています。ティムさんは このビレッジに住む前は、車上生活を送っていたのです。

Icon社の建てたこれらの住宅は「バルカンIIプリンター」と呼ばれる3Dプリンターで「印刷」されています。1ベッドルーム、1バスルーム、フルキッチン、リビングルーム、広いポーチまで備えており、家と呼べる場所を持たない多くの人々に希望を与えています。同社のCEOであるジェイソン・バラード(Jason Ballard)氏は、「尊厳のある住宅を、どこでも、誰でも手に入れられるようにする」ことを使命としており、3D住宅の最初の住人となったティム氏の未来はこれまで以上に明るいものになる、と考えています。

以前のティムさんはコミュニティ内に停めたRV車に住んでいました。薬物中毒に悩まされ、手頃な価格の住宅を住むことはできませんでした。

NYポストのインタビューでティムさんは、以前の生活ではなるべく世間から隠れるようにしていたと語っています。「私の個人的な経験から言うと、以前のライフスタイルでは、自分の殻を作ってしまっていました。いつも不安で隠れたりように過ごし、周囲から距離をとったりしていました。人と関わりたくなかったのです」。

しかし、「コミュニティ・ファースト!ビレッジ」の新居に移ってからは、生活が一変した。「あらゆることが正反対になりました、今では毎日、他の人と一緒にできる活動がたくさんあります。」と。

当初、ティムさんは自分が3Dプリントされた家に住む最初の人間になるとは信じらなかったと語っています。「アメリカで初めて3Dプリンターで作られた家に住む人になると知ったときは、とても素晴らしいことだと思いました。昔は周囲から逃げていた人も、今は駆け寄るようになるのですから。もしあなたがフェンスの両側にいたことがあるなら、少しの励ましとサポートが必要な人がいることを知っているでしょう。」とNY Postに語っています。

ティムさんの家は「コミュニティ・ファースト!ビレッジ」は、ホームレスの人々にシェルターやコミュニティ、サポートを提供してきました。不動産開発業者であるアラン・グラハム(Alan Graham)氏は、このビレッジと「Mobile Loaves & Fishes」と呼ばれるプロジェクトの創設者でもあります。

グラハム氏によると、「ホームとは基本的に、つながりのある場所であり、命を育み、基礎となる関係の場所です。」とのこと。彼の目標は「社会の片隅で生きる人々を最終的に自分の心に招き入れることで、誰もが真にくつろげる場所にすること」です。

3Dプリントされた家はビレッジ内にいくつか建っています。ICON社は、ホームレスの人々を保護するために、ニーズに合わせてレイアウトを変えた6種の3D住宅を建設しました。ティムさんは関節炎を患っているため、オープンフロアのレイアウトを選択しました。

このプロジェクトは、建設技術を提供するICON社と、オースティンの非営利団体「Mobile Loaves & Fishes」との継続的なパートナーシップによって実現しました。

今回のプロジェクトについて、「Mobile Loaves & Fishes」の創設者兼CEOのアラン・グラハム氏は次のように述べています。「ホームレスのような弱者は、最先端のものに最初にアクセスすることはできません。しかし、テキサス州オースティンで、彼らはこれまでに建設された中で最もユニークな家に最初に住むことになり、それは素晴らしいことだと思います。」

ICON社は、「3Dプリンティングは、将来的に住宅建設に適した方法になると考えており、ホームレスをなくす可能性のある技術のパイオニアになれることを嬉しく思っています」とコミュニケーション&広報担当副社長のブルック氏は語ってくれました。

「米国では年間330万戸の住宅が必要ですが、建設されるのは130万戸程度です。3Dプリンティングによる建設は、弾力性があり、持続可能で、尊厳のある住宅を米国と世界に提供するのに役立ちます」と述べています。

ICON社は、非営利団体との社会的住宅プロジェクトや、デベロッパーとの主流の住宅開発など、メキシコとアメリカで20数件の3Dプリント住宅を納入してきました。

「私たちの技術が、メキシコで困っている人たちに家を提供したり、テキサス州でホームレスを経験した人たちにサービスを提供する機会を得られたことに感謝しています。」「特にティム・シア氏は、アイコンの3Dプリントされた家に初めて住んだ人です。私たちは、このプロジェクトのためにデザインや家具を選ぶのに緊密に協力し、彼が新しい家で成功しているのを見て感激しています」。

ICON社の共同設立者兼CEOのジェイソン・バラード氏は、「ICONの核心は、より良い未来のためのイノベーションです。「Mobile Loaves & Fishes」のチームは、ホームレスの人たちと一緒に生活することで、周囲のコミュニティに力を与えようとしている点で、ICONと同じビジョンを共有しています。私たちは、ホームレス問題のような社会的に厄介な問題を解決する方法を根本的に見直す必要があります。結局のところ、これは人間と人間の尊厳に関わることなのです。」と述べています。