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人気のパン屋 フロイン堂 店主竹内義之氏のこだわり

神戸・東灘区岡本にある老舗のパン屋さん「フロイン堂」。こだわりの食パンが人気で今では予約をしないとなかなか購入できない程になっています。その店主が2代目になる竹内義之氏。88歳のいまでも現役でパンを焼き続けています。

フロイン堂が開業は昭和7年(1932年)。竹内さんの父である初代は、ドイツパンを日本にもたらした神戸の名店「フロインドリーブ」に勤務しており、その暖簾分けというかたちでのスタートしました。当時は、日本ではまだパン自体が一般的ではない時代だったでしたが、岡本周辺には多くの外国人や商社マンが住んでいたこともあり、本格的なパンや洋菓子はたちまち評判になったそうです。

義之さんが後を継いだのは38歳の時。それまではサラリーマンをしていましたが、初代である父が亡くなったため店を継ぎました。

手ごねにこだわる

現在、ほとんどのパン屋は生地をこねるのにミキサーを使っています。しかし竹内さんはすべて手ごねで、機械をいっさい使っていません。一度に焼く食パンの本数は70本。小麦粉だけで35kg、副材料を入れると50kgにもなる生地を、いまなおミキサーに頼らず、手でこねています。塩や粉などは改良をしながらも、ドイツをルーツにした昔ながらのレシピで、昔ながらの手法でつくり続けることにこだわっています。

「立派になれよ、って言い聞かせながらこねてやると、不思議と出来が違います。」、「完成度を機械のせいにしたくない」と竹内さんは考えています。

「窯」にこだわる

フロイン堂では、「フロインドリーブ」のドイツ窯を完全にコピーして造ったレンガ造りの窯を受け継いでパンを焼いています。

開店から10年ほど経った昭和19年に一層式のレンガ窯を導入しました。薪を燃やして庫内を約300℃まで熱し、余熱だけでパンを焼き上げるシステムです。中からじんわりと火が通った生地は、余計な水分が飛び、驚くほど軽やか。小麦の香りとうまみが引き出され、パサつきや風味の劣化もゆっくりだという。いまもその窯は現役。戦災や震災をも乗り越え、堂々とした姿をとどめています。

現在は温度計が付き、薪ではなくガスを使用していますが、そのスタイルは変わりません。レンガ窯であっても多くは二層式で、下から火をくべて温めるというスタイルのものが主流であるなか、貴重なスタイルを残したものになっています。

ただし、二層式と異なり、次のパンを焼くには再度温めなおさないと焼けないため、次々とパンを焼けないのが難点です。しかし、味わいは軽く、老化しにくいパンができあがるのが特長です。なかでも食パンは軽く、口どけのよい味わいになります。

「手渡し」にこだわる

知名度が全国区となり、出店や催事のオファーは数えきれないほどになっているそうです。また、地方発送の問い合わせも毎日のようにあるとか。しかしそれらに対応しないのには、やはり竹内さんのこだわりがありました。「やっぱり、手渡しでないとあかんのです」。

「100点満点のパンがどういうものか、いまもわかりません。毎日が新しく、毎日が素人のような気持ちですよ」と88歳の竹内さんは言っています。

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