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アメリカの動物園 苦悩の末に老いたライオン夫婦を一緒に安楽死させる

2020年7月末、アメリカ・カリフォルニア州にあるロサンゼルス動物園は、2頭のライオンを同時安楽死させるという難しい決断を下したと発表しました。オスのヒューバートとメスのカリサは21歳になる老夫婦です。2頭は「健康の衰えと加齢による病気で生活の質が低下したため 」安楽死させられました。

ヒューバートはシカゴのリンカーンパーク動物園、カリサはシアトルのウッドランドパーク動物園の出身。2014年、2頭はロサンゼルス動物園に転園して来たため出会うことになります。それ以来、2頭はお互いに無くてはならない関係になっていきました。

Image credits: Los Angeles Zoo and Botanical Gardens

ロサンゼルス動物園の広報担当者であるベス・シェーファー(Beth Schaefer)氏によると、ヒューバートとカリサの間には、スタッフはもちろん来園者の誰もが認めるほどの強く明確な絆があったと言います。「彼らは、パートナーとしても、一頭のライオンとしてもカリスマ的でした。しかし彼らはお互いに離れることはほとんどありませんでした。」とシェーファー氏は語っています。「彼らは一緒に休んだり寄り添ったりしている時でも途切れることのなく常に相手に意識を向けていました。」「私たちは、ソーシャルメディア上でヒューバートとカリサの楽しい思い出を共有してくれたコミュニティに感動しています。このペアのお互いへの愛は、私たちのゲストとのより深いつながりと信じられないほどの共感を生み出しました。」

Image credits: Los Angeles Zoo and Botanical Gardens

詳細: lazoo.org | Facebook  | インスタグラム

ロサンゼルス動物園がインスタグラムで発表したこの件に関するコメントは下記になります。
「私たちのアフリカのライオンのペア、ヒューバートとカリサの喪失を発表しなければならないことについて、重い心持ちになります。動物のケアと健康管理を担当するスタッフは、21歳のライオンの健康状態の低下と加齢に伴う病気により、生活の質が低下していたため、本日、人道的に安楽死させるという難しい決断を下しました。ヒューバートとカリサはロサンゼルス動物園の象徴的な存在であり、スタッフや来園者は彼らの忠実な交友関係に感動してきました」とCEO兼動物園ディレクターのデニス・ヴェレット氏は述べています。「この愛情深い仲間たちは6年前にロサンゼルス動物園にやってきて、その壮大な美しさと無二の絆を見ているうちに、すぐに私たちの心を虜にしてしまいました。 ヒューバートがそばにいないとカリサに会えないとよく言われていました。この象徴的なペアとの別れは本当に心が痛むものです。でも、彼らが一緒に旅立ったことを知って、私たちは少しホッとするところもあります。彼らは園の歴史の中でポジティブな部分であり続け、彼らは非常に惜しまれ続ける存在です。」「平均寿命は15年前後、動物園では約17年であることを考えると、ヒューバートとカリサは、2014年にロサンゼルス動物園に到着した時にはすでに高齢の域になっていましたが、この2頭はすぐにロサンゼルス動物園の人気者となったのです。私は、園の獣医達スタッフがこのペアに与えた素晴らしいケアを称賛しなければなりません」

 

Image credits: Los Angeles Zoo and Botanical Gardens
Image credits: Los Angeles Zoo and Botanical Gardens

野生で暮らすライオンの平均寿命が約12~16歳であるのに対し、飼育された環境で暮らすライオンは20~25歳になることもあります。この差が生じる理由は複数あります。

例えば、飼育下で過ごしている間は捕食者に気を配る必要がないこと。ライオンにとって最大の捕食者は人間になるのですが、野生環境では餌を盗むチーターやハイエナにも気をつけなければなりません。

また、ライオンは野生では治療を受けることができません。怪我をしたり病気になったライオンは生き残ることは難しいでしょう。一方で動物園のライオンは、何かあった場合はすぐに治療を受けることができます。

もう一つの大きな要因は環境問題です。野生のライオンは、その健康を自然にのみ依存しています。しかし、干ばつが発生した場合、水や食料を確保することができません。しかし保護された環境下のライオンは、常に生活空間は管理されており、飼育員から十分な食料と水をもらうことが出来るため、これらの問題に対処する必要はありません。

Image credits: Los Angeles Zoo and Botanical Gardens

野生生物であるライオンにとってどのような生涯がもっとも幸せなのかは判りませんが、今回の園の判断はいろいろな葛藤があったのだろうと思います。安楽死した彼らが幸せな生涯を全うしたと思いたいですね。