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アート

ジャセンコ・ジョルジェビッチが彫る鉛筆の芯アート

鉛筆を使ったアートと言われると、普通はデッサンを思い付くのが一般出来ではないでしょうか。ボスニア出身のアーティストのジャセンコ・ジョルジェビッチ(Jasenko Đorđević)氏は、鉛筆の芯を使った彫刻作品を生み出し人気を得ています。折れやすい黒鉛の芯を素材にして、鉛筆を単なるアートを作る道具からアート作品そのものへと変貌させています。

子供の頃からミニチュア芸術に興味がありました。鉛筆の芯に落ち着くまで、さまざまなスタイルで自分の表現を試してきたといいます。

 

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鉛筆芯の彫刻を始めたきっかけ

1983年ボスニアヘルツェゴビナのトゥズラに生まれたジョルジェビッチ氏は、幼いころからミニチュアアートに興味がありました。保育園や小学校で初めて絵や工作をしましたが、その頃作った絵や粘土細工もすでに小さかったそうです。成長するにつれて使う素材も変わっていき、折り紙に興味を持った時期もあったと言います。2000年に折った舟の折り紙の直径はわずか1mm。ギネスブックに申請しましたが、事務的な理由で認められなかったそうです。2010年に、ジョルジェビッチ氏のお兄さんが鉛筆芯のアートのパイオニアとも言われるダルトン・ゲッティ(Dalton Ghetti)氏の作品を教えてくれたことが切っ掛けで、このアートを作り始めました。

 

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鉛筆の芯の作品を作り続ける理由

鉛筆はアート作品を生み出すためのツールですが、このアートでは、鉛筆の芯そのものがアート作品になります。彼にとって、それがインスピレーションを与えた最初のものだそうで、「1つめの理由は鉛筆は非常に象徴的なものであり、そこから生まれるすべての彫刻には意味と物語があるということです。もう1つの理由は、鉛筆芯がもたらす挑戦です。黒鉛はもろく、簡単に壊れてしまう素材です。制作中に壊れないようにするためには、長時間の集中力が必要です。また、鉛筆の直径は0.5mm〜0.4mm(鉛筆によって異なる)なので、特にミスをする余地はありません。もしミスがあったとしても、それはコンマ1ミリ単位で計測されます。すべての彫刻は新たな挑戦であり、完成までの道のりは最後まで予測不可能なものです。」とあるインタビューに語っています。

 

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彫刻のアイデアはどのようにして生まれてくるのでしょうか?

ポップアートのようなスタイルが求められることもあれば、自然や建築物などの有名な作品からインスピレーションを受けたり、社会の問題を反映した彫刻を制作することもあるそうです。当初はシンプルな形状の作品が多かったといいますが、現在の作品はより複雑で、決断を必要とする場合、デザインはクライアントが判断することが多いそうです。

 

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それぞれの作品はどのようにして作られるのですか?

彼の制作プロセスは、まず、デザインを選ぶことから始まります。黒鉛の表面は限られているので、すべてのアイデアを実現できるわけではありません。まず、鉛筆の上にどのように見えるかのモチーフを描きます。次に、この彫刻の弱い点はどこか、壊れやすいところはどこかを考えます。そして、選んだデザインと鉛筆の種類(丸型か角型か)に応じて、道具(ナイフなど)を用意していよいよ彫刻作業を開始します。彫る作業は2段階に分かれており、第1段階では5時間から10時間かけて、完成品のイメージとなる大まかな輪郭を彫ります。これが終わると、高解像度の画像を数枚撮って、追加の修正が必要かどうかを確認します。小さすぎて肉眼では細かい部分まで気づくことはできないのです。

 

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問題が無ければ第2段階が始まります。第2段階はディテールになり細かい部分をすべて仕上げる段階です。顕微鏡が必要になり、場合によっては2日ほどかかることもあります。第2段階が終了すれば、彫刻も完成です。最後に、アーカイブ用の写真を数枚撮り、シリアルナンバーをつけます。

 

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