アート

ユーロ紙幣に描かれている架空の橋を実現化させたデザイナー

ユーロ紙幣をよく見たことがあるでしょうか。ユーロ紙幣は全部で7種類あるのですが、そのすべてに橋が描かれています。

10年ほど前、オランダのデザイナー兼イラストレーターのロビン・スタム(Robin Stam)氏は、ユーロ紙幣に描かれた橋からインスピレーションを得て、スタムはそれを現実のものにすることにしました。

プロジェクトの経緯

驚くかもしれませんが、ユーロ紙幣に描かれている橋のイメージは完全に架空のもので、実際にはユーロ内のどこかに存在しているものではありません。
これらの橋は、オーストリア国立銀行(オーストリア国立銀行)のロベルト・カリーナ氏がヨーロッパの主要な時代や建築様式を取り入れてデザインした想像上の橋を紙幣に採用したものなのです。

橋が架空のものであることを残念に思っていたデザイナーのスタム氏は、絵に命を吹き込み本物の橋として作り出しました。現在、住宅街の近くに建設されたカラフルで印象的な橋は、オランダのロッテルダム近郊のスピケニッセの街を10年近くにわたって明るくし続けています。

橋を建築するにあたって、スタム氏は欧州中央銀行からプロジェクトの承認を得た後、スピケニッセ市議会からも支持を得ました。市議会は130万ドル(約1億4000万円)の資金を提供してくれました。これは単純な橋を架けるよりも25%程度割高になりますが、市議会はそれを将来への投資と考えたのです。

スタム氏は、橋を劇場のような大げさな外観にしたいと考えていました。しかし、彼には建築やエンジニアリングに関するバックグラウンドを持っていなかったため、彼は専門家のチーム全体と協力して自分のビジョンを現実のものにしました。7つの橋のうちの5つは、レリーフ模様のある木型にカラーコンクリートを流し込んで作成されました。より近代的な2つの橋(200ユーロ札と500ユーロ札)は、鉄鋼で建設されています。

紙幣と完成した橋を見比べてみよう

5ユーロ紙幣 クラシック

カリーナが描いた5ユーロの橋は古典的なものです。

10ユーロ紙幣 ロマネスク

10ユーロの橋はロマネスク様式です。

20ユーロ紙幣 ゴシック

20ユーロの橋はゴシック調。

50ユーロ紙幣 ルネサンス

50ユーロのものはルネッサンス調です。

100ユーロ紙幣 バロック・ロココ調

100ユーロの橋はバロック様式とロココ様式を表しています。

200ユーロ紙幣 鉄鋼とガラスの時代

200ユーロは鉄とガラスを使った建築の時代を表しています

500ユーロ紙幣 近代20世紀建築

最後に、500ユーロ紙幣は20世紀の近代建築を表現しています。

カリーナが描いた7枚の紙幣は、2002年1月1日から欧州連合(EU)で流通するようになりました。これらの橋は、ヨーロッパの国々とヨーロッパと世界の間の協力とコミュニケーションを象徴しています。

イギリスが離脱したりといろいろ不協和音が聞こえてくるEUですが、橋の理念のようにうまく協力していってほしいものです。