大豆ミート、植物肉、代替肉などと呼ばれる食品をご存知ですか?
菜食系(ベジタリアン)の人たちの間では以前から大豆ミートは知られていましたが、一般の人が食べるようになったのはこの数年のことです。
なぜ大豆ミートはできたのか?
大豆ミートのメリットやデメリットなどご紹介します。
尚、大豆ミートをはじめとした代替肉を食べてみたいという方はこちらのページでご紹介しています。
目次
「大豆ミート」「植物肉」「代替肉」ってなに?
大豆ミート(ソイミート)や植物肉(プラントベースミート)とは、その名の通り、大豆由来など植物性タンパク質を原料とする肉の代わりとして食べる「代替肉」のことです。
ちなみに「培養肉」というのもありますが、こちらは動物の細胞を培養して増やして食用にするものを指しています。
大豆ミートのメリット
大豆ミートの原料となる大豆は食物繊維、ミネラルなど栄養も豊富でコレステロールが低く、「畑の肉」と呼ばれているスーパーフードです。
そんな大豆ミートのメリットをご紹介します。
低カロリー高タンパク
大豆ミートはカロリーがお肉の1/2から1/3程度のため、圧倒的に低脂質であるのに高タンパクで私達に必要な三大栄養素を備えています。
コレステロールが低い
大豆はコレステロールが0です。
そのため大豆ミートもコレステロール0またはかなり低い食品になっています。
最近の研究では、大豆タンパク質が血中のコレステロール値を下げる効果があると言われています。
生活習慣病等が気になる方にもおすすめです。
食物繊維が豊富
大豆には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は整腸作用の効果がありますので便秘予防にも効果的です。
ビタミン・ミネラルも豊富
大豆にはビタミンB群やビタミンEといったビタミンをはじめ、カルシウムやカリウム、鉄分のようなミネラルも含まれています。
大豆イソフラボンが含まれる
大豆には大豆イソフラボンが含まれています。
女性ホルモン「エストロゲン」(卵胞ホルモン)に似た働きをし、女性の美しさや若々しさを手助けしてくれます。
グルテンフリー
代替肉の中には小麦粉のグルテンを使ったグルテンミートというものがあります。
グルテンを使った代替肉の場合、食物アレルギーなどの方は食べることができません。
大豆ミートは大豆が原材料のため、グルテンアレルギーの方でも食べることができます。
※大豆ミートの商品によっては小麦粉を使用しているものもあります
長期保存可能
大豆ミートは、乾燥したものが多く、乾物のように長期保存が可能です。
お肉と比べて長期保存が可能なので、常備食や非常食として保管しておくことができます。
また、お肉の場合は調理して冷めたものは脂が固まってしまいますが、大豆ミートなら冷めても味が落ちづらいため、お弁当のおかずにもおすすめです。
大豆ミートのデメリット
栄養豊富で長期保存ができる大豆ミートですがデメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
手間がかかる
乾燥タイプが多いので、すぐに使えるものは少なく、戻す手間がかかります。
例えば唐揚げを作るとしたら、本物のお肉の場合はすぐに下味をつければ良いですが、
大豆ミートの場合は、大豆ミートを戻す作業が必要になります。
大豆ミートを茹で、その後に水を何度か変えて大豆ミートを洗う作業を繰り返し、下味をつけるという流れになります。
まずい?
大豆ミートがまずいという声も聞かれます。
これは大豆ミートを洗う工程でしっかり洗えてないと、大豆の独特な匂いが残ってしまうことが原因の一つです。
この工程をしっかりやっておけば美味しくできます。
また本物のお肉ではないので、お肉と全く同じ食感などを求めると違和感を感じ、美味しくないと思われるようです。
あくまでも代替肉なので、お肉とは違った食材として楽しむのが良さそうです。
なぜ大豆ミートができたの?
世界には宗教上の理由や体質、嗜好であったりと様々な理由で肉を含む動物性の食品を食べない人、食べられない人がいます。
そんな人たちが重宝しているのが植物性の食品を使用した「代替肉」です。
代替肉が注目されている理由はいくつかありますが、主に以下の3つの点が挙げられます。
- 健康面
世界的な健康指向の高まり
ベジタリアン・フレキシタリアンの増加
- 環境面
人口増加に伴う食料資源枯渇への対応策
畜産に比べて、より環境負荷の小さい食品への関心 - 倫理面
動物愛護の観点
食糧難と大豆ミート
これまでは宗教上の理由やベジタリアン、動物愛護の観点からお肉を食べない=代替肉を食べる、ということが多かったのですが、現代では食糧難の観点からも代替肉が注目されています。
1990年の世界の人口は約52億人でしたが、30年たった現在は約78億人になっています。
さらに30年後には96億人にもなるという試算があるそうです。
急速な人口増加に伴って食料、特にタンパク質の不足が深刻になると言われています。
動物性たんぱく質のみではまかないきれなくなると考えられます。
そこで必要になってくるのが、植物ベースのタンパク源でもある「大豆」という訳です。
大豆は幅広い気候で育つことが出来るため、寒冷地や熱帯でも育てることが可能です。
また、少量の水と肥料でも育てることが可能で、小麦・トウモロコシの1/3、牛肉の1/15の水で育成が可能だといいます。
大豆を利用することは、環境負荷を考えるうえでも必要になってきているのです。
食料の大量廃棄などがニュースになることが多いですが、今のままでは、あと数十年後には食料不足が深刻になっている可能性があるのです。
まとめ
食糧難から代替肉の開発が進められています。
これまではお肉が食べられない、食べたくない人の食材という認識でしたが、選択肢の一つとして食べてみるのも良いですね。